カリキュラム

コンセプト

 20世紀の産業は「より質よく・より安く・より迅速に」を基本的な価値観として進んできました。その結果、様々なハードウェアとソフトウェアが出揃いました。今日でもそれらを進歩させることが極めて重要なことは言うまでもありません。しかし21世紀の産業には、それらのハード・ソフトの力を、社会の問題解決に向けていかに革新的に活用するかという新たな焦点が加わりつつあります。各企業は技術力を刷新するとともに、技術を価値化する方法論がますます必要になります。名古屋工業大学大学院 工学研究科 工学専攻 社会人イノベーションプログラムは、まさにこうした喫緊のニーズに答えようとする社会人向け教育プログラムです。
 
 イノベーション、すなわち「革新的な技術により社会の価値次元を転換すること」を実現するためには、以下の5つの能力が必要であると私達は考えています。

 

1)次世紀まで活きるビジョンを定める「想像力」

2)ビジョンから得られる社会価値をモノ・コトづくりを通じた体験価値で具現化する「デザイン力」

3)工学的知見に基づいて試行と改善を繰り返していく「実践力」

4)新産業創出につなげる「戦略性と起業家精神」

5)多様な視点を持つ異分野の専門家による分野横断的な活動を先導し促進できる「協調性とリーダーシップ」

 

社会人イノベーションプログラムでは、これらの能力を育成するためのカリキュラムが体系的に用意されています。

 最大の特徴は、社会人が所属する機関の課題や解決したいと望む社会課題を持ち込み、この課題を解決することを研究テーマとして教員が教育指導する点です。つまり、大学での授業や研究活動を通して、業務直結のソリューションを立案し、これを修士論文としてまとめることになります。

 本プログラムの看板授業である「工学デザインワークショップ」では、技術の価値化の方法論をグループワークを通じて徹底的に学びます.さらに、社会人学生と様々な分野の一般学生・教員が1つのグループを作り、社会人学生の研究テーマを題材に議論します。これにより、方法論を学ぶだけでなく、自身の研究における問題設定の妥当性や解決方法の実現可能性について、様々な視点から検討することができ実践的な知見が得られます。

教育訓練給付制度

本コースは、厚生労働省の 平成28年度「教育訓練給付制度(専門実践教育訓練給付)」にも認定されており、一定の条件を満たした場合最大56万円の給付が受けられ、入学金と授業料等の実質的負担は約半分となります。
※教育訓練給付制度については、厚生労働省の下記をご参照ください
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html

修了要件

 本プログラムでは、夜間や土曜日に開講する講義科目を多く設定し、所属機関の業務に大きな支障を来たさない配慮も施されており、最短1年で修士号を取得することができます。
 修了に必要な単位数は、専門教育科目:必修全科目を含め24単位以上、共通科目:4単位以上、合計30単位以上が必要となります。さらに、上記単位の取得に加えて修士論文を提出し所定の審査を受けます。
 
 

社会人イノベーションプログラムに関連する教員の科目

平日夜間・土日集中講義単位一般・平日昼間の集中講義単位









経営管理特論
技術経営戦略特論
品質管理特論
マーケティング特論
技術戦略特論
戦略原理特論
イノベーション特論
社会工学特別講義Ⅱ

<企業連携科目>
企業戦略特論
開発戦略特論
経営法務特論
2
2
2
2
2
2
2
1


2
2
2






社会基盤論
建築思潮
2
2
材料開発特論
人間環境論*
建築思潮*
感覚・知覚システム論
イオンビーム応用特論
構造材料特論*
工業材料特論*
 *平日夜間・土日集中授業も対応可の
  場合あり(要相談)
1
2
2
1
1
1
1






工学デザインワークショップI
工学デザインワークショップⅡ
工学デザインワークショップⅢ
工学デザインワークショップⅣ
技術プレゼンテーションⅠ
技術プレゼンテーションⅡ
2
2
2
2
2
2
工学セミナーⅠ
工学セミナーⅡ
工学セミナーⅢ
工学セミナーⅣ
2
2
2
2
共通
科目
イノベーション人材論1技術系ベンチャー構築論A
技術系ベンチャー構築論B
1
1

履修例

地域産業振興機関のコーディネーターとして勤務する,文科系のバックグラウンドを持つBさんが入学し,土日集中講義および夜間講義の履 修により1年間で修士号を取得.産学連携によるイノベーションを創出する仕組みを中部地域で確立するための方策を探るため,諸外国との比較実地調査研究を 実施.リサーチペーパーのタイトル「東海地域におけるイノベーション・エコシステムの構築」

前期時間割

時限
1,2
8:50 ~ 10:20
3,4
10:30 ~ 12:00
5,6
13:00 ~ 14:30
 
7,8
14:40 ~ 16:10
 
9,10
16:20 ~ 17:50
 
11,12
18:00 ~ 19:30
技術
プレゼンテーションⅠ
イノベーション特論工学デザインワークショップⅠ
13,14
19:40 ~ 21:10

後期時間割

時限
1,2
8:50 ~ 10:20
 
3,4
10:30 ~ 12:00
  
5,6
13:00 ~ 14:30
 
5,6
13:00 ~ 14:30
 
9,10
16:20 ~ 17:50
 
11,12
18:00 ~ 19:30
社会基盤論
(四半期)
技術
プレゼンテーションⅡ
工学デザインワークショップⅡ
13,14
19:40 ~ 21:10
 
集中授業

工学セミナーⅠ~Ⅳ、技術戦略特論、マーケティング特論、戦略原理特論、企業戦略特論、
技術系ベンチャー構築論A・B、イノベーション人材論、社会システム論、社会工学技術倫理論、
メディア情報システム特論

 

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